Memories of VOICES

プロローグ

[シェリル]
・・・!
[アルト]
シェリル?どうした。急に立ち止まって・・・
[シェリル]
・・・アルト。今、歌が聴こえなかった?
[アルト]
歌?
[シェリル]
・・・ほら!今も聴こえてる。女の子の歌声よ
[アルト]
俺には、何も聴こえないが・・・
どこから聴こえるんだ?
[シェリル]
こっちよ!
[アルト]
って、おい!シェリル、待てよ!
[シェリル]
・・・聴こえなくなった
[シェリル]
おかしいわね。
確かにこっちから聴こえてきたと思ったのに・・・
[シェリル]
・・・あら?何かしら、あれ。
大きな鳥みたいなものが、ゆっくり飛んでいく・・・
[シェリル]
・・・ううん。違う、鳥じゃない。あれは・・・
[シェリル]
バルキリー?
[シェリル]
この記憶、まさか・・・
[アルト]
シェリル!やっと追いついた・・・
[アルト]
って、どうしたんだ?
空を見上げて、ぼーっとして
[シェリル]
・・・・・・
[シェリル]
・・・・・・一体、誰が歌っていたのかしら?
[アルト]
・・・もしかして、また別の時空の記憶を見たのか?
[シェリル]
ええ。それも、わたしたち以外の誰かのね
[シェリル]
・・・ねぇ、アルト!
あのバルキリーの機体名、わかる!?
[アルト]
バ、バルキリー?何のことだよ
[シェリル]
さっきからずっと空を飛んでるんじゃない!
ほら、あそこに・・・!
[シェリル]
・・・あら?
[アルト]
見間違いじゃないのか?
[シェリル]
そんなことないわよ!それに・・・
[シェリル]
あの歌と、別の時空の記憶、そして今のバルキリー。
この3つ、何か関係しているような気がしてならないの!
[アルト]
う、うーん、よくわからんが・・・
[アルト]
バルキリーのことなら、ルカに聞いてみたらどうだ?
[アルト]
あいつのことだ。
そのバルキリーの特徴さえ伝えれば
特定してくれると思うぞ
[シェリル]
なるほど・・・
そうね、聞いてみることにするわ!

調査結果報告

[ルカ]
シェリルさん。
今、大丈夫ですか?
[シェリル]
ルカ!待ってたわよ!
[シェリル]
例のバルキリー、わかったのね!?
[ルカ]
えーっと・・・
[ランカ]
例のバルキリーって
前にシェリルさんが見たって言う・・・
[アルト]
ああ、フロンティアの上空の宇宙を
ゆっくり飛行してたらしい
[アルト]
それで、ルカ。
どうだったんだ?
[ルカ]
はい。一応、シェリルさんから
口頭で聞いた特徴を元に
絞ってみたんですけど・・・
[ルカ]
この画像のバルキリーで合ってますか?
[シェリル]
ええ。たぶんこれよ!
[アルト]
やけに古びた画像だな・・・
それに不鮮明ではっきりわからない
[ルカ]
そうなんですよね・・・
[ルカ]
ただ・・・
[アルト]
ただ、なんだよ?
[ルカ]
この機体が
マクロス・フロンティアの上空を
飛んでいるとは考えにくいんです。
[シェリル]
え?

バルキリーの幽霊?

[シェリル]
飛んでいるときは考えにくいって・・・
ルカ、どういゆうこと?
[シェリル]
わたしは確かに見たわ、
間違いないわよ!
[ルカ]
うーん。
そう言われましても・・・
[ルカ]
フロンティア上空を飛ぶ機体は
当然、把握されています
[ルカ]
・・・でも、どのデータにも監視カメラにも
なかったんだよ
[ルカ]
シェリルさんが見た時間に、この機体が
飛んでいたという事実が・・・
[アルト]
なんだか急にオカルトじみてきたぞ・・・
[シェリル]
そんな・・・
[アルト]
やっぱり気のせいだったんじゃないか?
[ミシェル]
それか、人間の勝手で破棄された
バルキリーの怨念が積もった幽霊・・・
だったりして?
[ランカ]
ええっ!?
怖いこと言わないで、ミシェル君・・・!
[美雲]
バルキリーの幽霊、ね
[美雲]
なかなか面白そうな話じゃない
[シェリル]
幽霊なんかじゃないわ。
だって、この目でハッキリ見たもの!
[美雲]
わかっているわ
[美雲]
だって、私も見たもの
[ランカ]
えっ!?
[シェリル]
本当なの?美雲
[美雲]
ええ、ラグナの遥か上空を
ゆっくりと飛んでいった
[美雲]
大きな翼を広げて・・・
まるで、鳥のようにね

夢、風、そして・・・

[ルカ]
美雲さんたちの時空でも
目撃されるなんて・・・
[アルト]
偶然にしてはできすぎだろ
どう考えても不自然だ
[ルカ]
そうですね・・・
[シェリル]
美雲。あなた、歌は聴いた?
[シェリル]
わたし、あの機体を見る前に
聞き覚えのない歌を聴いたんだけど・・・
[美雲]
聴いたわ
[美雲]
とても美しい歌。
夢と、風と・・・誰かの名を呼ぶ声
[美雲]
イサム、ガルド・・・
[ルカ]
イサム?
[アルト]
どうかしたのか、ルカ
[ルカ]
あ、いえ。どこかで聞いたことがある
名前だと思いまして
[ルカ]
・・・・・・
[アルト]
ルカ?
[ルカ]
シェリルさんや美雲さんが見たものは、
記憶が見せた幻影なのかもしれませんね
[シェリル]
記憶が見せた幻影・・・
[美雲]
なるほど。
面白い解釈ね
[シェリル]
そうね。
ミシェルの言う幽霊説よりは
信憑性がありそうだわ!
[ミシェル]
悪かったな、信憑性がなくて
[ルカ]
とにかく、記憶のことについては
僕も引き続き調査してみますね

エピローグ

[シェリル]
イサム・ダイソン。
ガルド・ゴア・ボーマン・・・
[シェリル]
ルカの調査で、この2人が
パイロットだってことまではわかった
[シェリル]
でも、あの歌を歌っていた人の名前までは
わからなかったわね・・・
[美雲]
あの歌のことを考えているのね?
[シェリル]
美雲。・・・まぁね
[シェリル]
・・・イサムとガルドの名前は
前にあなたとバサラと一緒に見た記憶の中にもあった
[シェリル]
そのときは、あの2人が
シャロン・アップルと何か関係しているように
思えたけど・・・
[美雲]
今回聴いたあの歌は、シャロンのものじゃない
[美雲]
どこか面影はあるけれど・・・
シャロンのような、完成された歌声ではなかった
[シェリル]
あなたもそう思うのね
[シェリル]
そう。あれは間違いなく人間の歌声だった。
それも、まだまだ未完成って感じの、ね
[シェリル]
でも、それがとても心地よかったの。
汚れのない夢、無垢な風のようで・・・
[シェリル]
おかげで、わたしが歌と生きていこうと決めた頃の気持ちを
思い出したわ
[シェリル]
もしうたっている人の名前がわかったら
わたしが見つけて、プロデュースしてあげたいくらい
[美雲]
ライバルが増えて困るんじゃない?
[シェリル]
まさか。いくらその子がいい歌い手になっても
わたしは常にその上を行くわ
[シェリル]
だってわたしは、シェリル・ノームなんだから!
[美雲]
あなたのそういう自信家なところ
嫌いじゃないわ
[シェリル]
ふふっ。ありがと
[シェリル]
・・・ねぇ、美雲。
あの歌、わたしたち2人で歌ってみない?
[美雲]
・・・?
[シェリル]
あなたのことだから、覚えているわよね?
[シェリル]
一緒に歌ってみましょ。
そうしたら、あの子が姿を現してくれるかもしれない
[美雲]
・・・なるほど、ね
[美雲]
シェリル。
あなた、随分と気に入ってしまったようね
[シェリル]
ふふっ。そうみたい
[シェリル]
・・・いつか、会えるかしら
[美雲]
きっと会える、銀河はつながっている・・・
[美雲]
私たちだって、時空を超えて出会えたのだから・・・ね
[シェリル]
美雲・・・
[シェリル]
・・・ええ、そうね!

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Last-modified: 2020-06-08 (月) 01:57:38