純白のエーテル

プロローグ

[ミレーヌ]
ブレラ!元気?
[ブレラ]
・・・問題ない
[ミレーヌ]
もう・・・相変わらず仏頂面ね
[ミレーヌ]
今日はランカの新曲のお披露目パーティーなのよ?
ほらほら、もっと盛り上がらなくっちゃ!
[ブレラ]
・・・・・・
[ミレーヌ]
ちょっと、聞いてるの?ブレラ
[ブレラ]
ランカの生体信号がおかしい
[ミレーヌ]
へっ?
[ミレーヌ]
うーん・・・?言われてみれば、確かに
いつものランカらしくないような?
[ミレーヌ]
でもそれは新曲の曲調に合わせているんじゃない?
きれいだけど、どこか切ない曲だし・・・
[ブレラ]
・・・・・・
[ミレーヌ]
・・・えっ!?ブレラ、ちょっと・・・!?
[ランカ]
・・・はぁ
[ブレラ]
ランカ
[ランカ]
あっ・・・ブレラさん!
今日は来てくださって、ありがとうございます
[ブレラ]
何かトラブルか?
[ランカ]
えっ・・・?
[ブレラ]
生体信号が異常だ
[ランカ]
えっと・・・私・・・
[ランカ]
・・・ごめんなさい!
[ブレラ]
ランカ・・・?
[ミレーヌ]
ちょっと、ブレラ!
[ブレラ]
・・・なんだ
[ミレーヌ]
あのねぇ・・・
[ミレーヌ]
ブレラはどストレートに物を言い過ぎなのよ!
もっと他に言い方があるでしょう?
[ブレラ]
・・・・・・どう言えば良かった
[ミレーヌ]
しょうがないわね・・・
このあたしが、なんとかしてあげるわ!
[ミレーヌ]
あたしもランカには笑顔でいてほしいしね!

バルキリーに乗って

[ランカ]
ミレーヌちゃん!
今日は心配かけちゃってごめんなさい!
[ミレーヌ]
えっ!?なんのこと?
[ランカ]
ブレラさんに
私を励ますように言ってくれたの
ミレーヌちゃんなんですよね?
[ランカ]
ブレラさんからそう聞いたんです!
[ミレーヌ]
ブーレーラー!?
[ブレラ]
何だ
[ミレーヌ]
もう!なんでそこであたしの名前を
出しちゃうのよ!
[ミレーヌ]
ブレラが自分で思いついて
やったことにすれば良かったのに・・・
[ブレラ]
事実を伝えたまでだ
[ミレーヌ]
ほんと石頭ね・・・
[ランカ]
いいんです!
私もミレーヌちゃんに
お礼を言いたかったし・・・
[ランカ]
それに、ブレラさんが突然
『バルキリーで出かけるぞ』なんて
[ランカ]
そんなこと言ってくるなんて
ちょっと意外だなって思ったから
[ミレーヌ]
うーん。言われてみれば
確かにブレラの発案ってことにするには
最初から無理があったわね・・・
[ミレーヌ]
ま、いいわ!
どう?夜のバルキリーデート
楽しかった!?
[ランカ]
デート!?
えっと、確かに楽しかったですけど
デートってわけじゃ・・・!
[ブレラ]
ランカ
[ブレラ]
無理に楽しそうにすることはない
[ランカ]
えっ・・・?
[ブレラ]
先ほど・・・

蒼い旅路

[ブレラ]
バルキリーの後部座席で
泣いていた
[ランカ]
・・・気付いてたんですね。
ブレラさん
[ミレーヌ]
ランカ・・・?
ほんとに何があったの?
[ランカ]
・・・2人になら話してもいいかな
[ブレラ]
聞かせても構わないなら
聞かせてほしい
[ランカ]
ありがとうございます、ブレラさん
[ランカ]
実は私、最近また
別の時空の記憶を見るんです
[ランカ]
あの新曲を初めて歌ったときから
それがずっと続いてて
[ランカ]
レッスンのときも、レコーディングのときも
今日のお披露目パーティーで
歌ったときもその記憶が見えて・・・
[ランカ]
ずっとその記憶と
記憶の中の感情が忘れられなくて・・・
[ブレラ]
・・・悲しい記憶なのか
[ランカ]
記憶としては途切れ途切れなんです。
けど、記憶の中の私の気持ちだけが
痛いくらい伝わってきて・・・
[ランカ]
胸の奥が、ずっと痛いんです。
気を抜くと、泣き出しちゃいそうなくらい
[ミレーヌ]
ランカ・・・
[ランカ]
ブレラさん。
今日はバルキリーに乗せてくれて
ありがとうございました
[ランカ]
あのとき私が泣いちゃった理由は
自分でもよくわからないんです
[ランカ]
ただ、ブレラさんの機体の中の
青い光を見ていたら
自然とそうなって・・・
[ブレラ]
・・・そうか

笑顔を見せて

エピローグ

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