イツワリノセカイの君へ †
プロローグ †
- [オズマ]
- ランカ!怪我はないか?
- [ランカ]
- うん、大丈夫だよ、お兄ちゃん!
それより見て・・・雪!
- [オズマ]
- ・・・弔いの雪、か
- [ランカ]
- え?
- [オズマ]
- さっきの戦闘で、敵がアイランド1のドームに穴をあけたんだ。
きっと減圧現象で雪が降り始めたんだろ
- [オズマ]
- ・・・普段、人工的に制御されてる分、
不思議な感じがするな
- [ランカ]
- うん・・・でも、すごく綺麗
- [ランカ]
- ・・・・・・
- [オズマ]
- ランカ?
- [ランカ]
- さっきの戦闘中、歌ったときに覚えのない記憶を見たんだ。
多分、この時空とは違う時空の記憶
- [オズマ]
- どんな記憶だったんだ?
- [ランカ]
- 今と同じように雪が降ってたの。
それをシェリルさんとアルト君と見てたんだ。
温かいんだけど、ちょっと寂しいような記憶で
- [オズマ]
- ・・・そうか
- [ランカ]
- 記憶の中でも、同じように戦ってて
でも、シェリルさんとアルト君が私を助けてくれて・・・
- [ランカ]
- そういえば、2人ともどこに行ったんだろう?
はぐれちゃったのかな?
- [オズマ]
- 激しい戦闘だったからな。
だが戦闘が終わったばかりでガレキも多い。
お前はここで大人しく・・・
- [ランカ]
- 私、探してくるね!
- [オズマ]
- おい、ランカ!・・・ったく
- [ランカ]
- あ、シェリルさん!アルト君!
- [アルト]
- ランカ!そっちは大丈夫か?
まぁ、隊長がいれば大丈夫だとは思うが
- [ランカ]
- うん!
- [シェリル]
- さっきの戦闘で、ランカちゃんも記憶を見たのね?
別の時空のわたしたちの記憶
- [シェリル]
- それで心配してきてくれたってところかしら?
- [シェリル]
- ふふっ!アルトと同じね
- [ランカ]
- え、アルト君も!?
- [アルト]
- おい、シェリル!
- [シェリル]
- ・・・でも、ありがとう。アルト、ランカちゃん
- [シェリル]
- わたしはひとりぼっちじゃないってわかったから。
今の私もそんな気持ちよ
- [アルト]
- ひとりぼっちじゃない・・・か
- [ランカ]
- あの!シェリルさん、アルト君!
私の歌を聴いてくれますか?
- [シェリル]
- え?
- [ランカ]
- さっき、記憶を見て思ったんです。
違う時空のお兄ちゃんやミシェル君たち、ブレラさん・・・
- [ランカ]
- みーんなに、こっちの時空の私たちのことも
知ってほしいって!
- [ランカ]
- ・・・違う時空のアルト君やシェリルさんも、
私の大切な人たちだって伝えたいんです!
- [シェリル]
- ランカちゃん・・・
ええ、聴かせてくれる?
- [ランカ]
- はい!
不思議な世界 †
- [シェリル]
- ランカちゃん、いい歌だったわ
- [ランカ]
- 本当ですか!?
ありがとうございます!
- [アルト]
- それにしても不思議だよな。
俺たちの時空の他にも
似たような時空があるなんて
- [ランカ]
- 平行世界かぁ・・・でも、それだけ鳥の人の影響を
受けてるってこと?
- [シェリル]
- いろんな記憶が入り混じってるってことは、
そういうことになるわね
- [アルト]
- 普通なら信じられない話だよな
- [ランカ]
- うーん・・・でも私、ちょっとだけ
素敵だなって思っちゃった
- [アルト]
- 素敵?何がだ?
- [ランカ]
- もちろん、良くないことだって
ちゃんとわかってるよ!
でも・・・
- [ランカ]
- いろんな時空のアルト君や
シェリルさんと会えるんだよ!
- [ランカ]
- 自分の大切な人が他の時空でも
ちゃんと生きてるって
なんかほっとするし、素敵だなーって・・・
- [シェリル]
- ・・・ランカちゃんって、本当にいい子よね
- [ランカ]
- ええ!?
- [シェリル]
- 守ってあげたくなるっていうか・・・
ねぇ、アルト?
- [アルト]
- ノーコメント
- [オズマ]
- ああ、ランカは昔からいい子だ
- [オズマ]
- さっきも、一生懸命
何かを書いていると思ったら・・・
- [ランカ]
- ちょっと、お兄ちゃん!
- [シェリル]
- ねぇ、ランカちゃん!
何を書いてたの?
- [ランカ]
- それは・・・
内緒の手紙 †
- [ランカ]
- 他の時空のみんなに
お手紙を書いてたんです
- [シェリル]
- 手紙?
- [ランカ]
- 手紙なんて届かないってわかってるんですけど
それでも、やっぱり
伝えたいことがたくさんあって・・・
- [シェリル]
- へぇ、素敵ね。
どんなことを書いたの?
- [オズマ]
- 俺の手紙に怪我をしないでくれって
書いてあったな
- [ランカ]
- もしかして、読んじゃったの!?
- [オズマ]
- わざとじゃないぞ!
リビングに置いてあったら
誰だって気になるだろう!
- [ランカ]
- お兄ちゃんのバカーー!
- [オズマ]
- なぁ!?
- [シェリル]
- ・・・兄妹喧嘩って
なかなか面白いわね
- [アルト]
- 言ってる場合か!
- [アルト]
- ・・・とりあえず落ち着け、ランカ
- [ランカ]
- うん!
ごめんね、アルト君!
- [アルト]
- それで、書いた後の手紙は
どうするんだ?
- [ランカ]
- そうだ!
それでアルト君とシェリルさんに
お願いがあったんです!
- [シェリル]
- わたしたちに?
- [ランカ]
- はい!あの・・・
イツワリノセカイの君へ †
- [ランカ]
- 書いた手紙を折って
紙飛行機を作りたいんです!
それを手伝ってくれませんか?
- [ランカ]
- 折ったら、グリフィスパークの丘から
飛ばそうと思ってるんです!
- [シェリル]
- いいわね!面白そう!
それにわたしも手紙を書いてみたいわ
- [ランカ]
- 本当ですか!?
- [シェリル]
- わたしだって、別の時空のランカちゃんに
伝えたいことがたくさんあるんだもの
- [ランカ]
- シェリルさん・・・
- [シェリル]
- それに誰かに手紙を書く機会なんて
なかなかないもの
- [シェリル]
- 勿論、アルトもね
- [アルト]
- ちょっと待て!俺も書くのか?
- [シェリル]
- 当然じゃない!
ちゃーんと書きなさいよ?
- [アルト]
- はぁ!?
- [ランカ]
- アルトくんも書いてくれるの!?
わー!楽しみ!(*´▽`*)
- [アルト]
- あのなぁ・・・
- [ミシェル]
- へぇ・・・なんか面白そうな話をしてるなぁ
- [クラン]
- 伝えたいことを書く・・・か
ランカ、私も参加していいか?
- [ランカ]
- もちろんです!
- [ミシェル]
- で、アルトは俺に
なんて書いてくれるんだ?
- [アルト]
- なんでミシェルに!?
- [クラン]
- ミシェル!
特別に私が書いてやってもいいぞ?
- [ミシェル]
- お子様は手紙に書く前に
全部口に出しちゃうんじゃないか?
- [クラン]
- ミーシェールー!!
- [ランカ]
- なんだか楽しくなってきましたね、
シェリルさん
- [シェリル]
- そうね、ランカちゃん!
エピローグ †
コメント †